一般の部

最優秀賞

「ママどうぞ」 小さな砂のおだんごは 創業二年の やさしいお味

長尾 郁子(東京都江戸川区)

公園では娘にいつも優しい時間をもらっています。

優秀賞

かけっこの 桃色ぼうし 追ううちに 青も黄色も みんながんばれ

小野 史(東京都足立区)

運動会で桃色の帽子を被った娘のかけっこを応援しているうちに、どの子もがんばれと声援を送っていました。


障害の区分認定用の診断書 なんだかなぁって君抱き寄せる

小山 肇美(三重県松阪市)

重度の障害者の息子との暮らし。いつも、私自身が叫び出したいものの正体が見えません。

審査員特別賞

捕虫網かまえて君は追いかける パパの背よりも高く飛ぶもの

林 由実(東京都新宿区)

小さい頃の娘の姿です。今では色々な国に友人のいるあの子が追いかけていた物は、ヒコーキ、だったのかな。


おとなしい 兄のケンカの 原因は 悪く言われた 弟のため

野井 さくら(京都府宇治市)

話を聞いた時優しい気持ちになりました。

入選

君の立つ バッターボックス 見てるのが 怖くて空を 見上げて祈る

安保 紀子(愛知県東海市)

息子の野球の試合を見に行ったとき。ドキドキして、バッターボックスの息子を見ていられなかった。


老夫婦マイク手にして呼びかける 「なくそう核兵器」炎暑の歩道

上田 康彦(千葉県四街道市)

夏の炎天下に、原爆で家族を亡くしたらしき老夫婦が、街中の歩道を「なくそう核兵器」と叫んでいた悲しみを歌に。


湯上がりの 裸の君は つやつやで 剥いた玉ねぎみたいに転がる

海老原 順子(茨城県桜川市)

風呂上がり転がっている子はまるで玉ねぎのようにきれいでかわいい。


「母さんを頼むぞ」と言ふ父のいて 「パパをお願ひ」と言ふ母がいる

小田 虎賢(兵庫県明石市)

お互い相手のことを心配し合う夫婦。こんな父と母に私は育てられました。ほんとうに感謝しています。


シリウスを二人の星と定めいて 共に眺める遠距離の恋

熊本 芳郎(山口県周南市)

昔々の若かった頃の思い出。結局この恋は叶いませんでしたが。


帰省する我が子想いて老いた手で ヤッコラセっと布団ズレ干す

鈴木 和男(静岡県藤枝市)

休日久しぶりに帰ってくる子にフカフカ布団に寝かせたいから老体にムチ打ちせいイッパイ頑張る私(父)。


母さんの足踏みミシン縁側に 昭和平成カタカタ生きる

中本 亜矢子(山口県宇部市)

足踏みミシンで生計を立て、家族の洋服もつくってきた母。母の人生そのものであるミシンに感謝を込めて。


「ママここらへんにいてね」と駆けてゆく 「らへん」の範囲が広がってゆく

忽滑谷 三枝子(群馬県渋川市)

子どもと、公園へよく行きました。興味や行動力が、少しずつ広がっていきました。


初めてのおつかひに行く吾子の後 刑事のごとく妻は歩きぬ

野村 久(静岡県袋井市)

当時は田舎暮らしで、店の人もどこの子か、分かってくれていましたが、それでも妻は心配だったようです。


とりになり お魚になり ママになる 一度きりだよ 五さいの夏は

長谷川 律子(東京都調布市)

5才になったばかりの孫は楽しいことを見つけるのが上手です。ある時はとりになり、おさかなになり、ママになり自由に遊びます。一度きりの5才の夏を精一杯楽しんで と。


忘れてた 意味ある言葉を言う前の 泣き声さえも 好きだったこと

増田 浩二(静岡県焼津市)

生意気盛りの口答えに、親は真剣に怒ったりしますが、生まれたての頃は、泣き声さえも大好きでした。


ほんとうは君の名前を聞きたくて 犬の名を聞く 朝のはるかぜ

松下 まき(神奈川県藤沢市)

恋愛はいつも、こんな、ほんのり甘くさわやかにまどろっこしい時間があって、始まると思います。


こうくんはチョークの線路を走ってく からだまるごと列車になって

水野 真由美(神奈川県横浜市)

園児と一緒に、チョークでお絵描き遊びをする時間が好きでした。


いのちすくつてくれてありがと、テーブルに ノロの癒へたる児の手紙あり

渡辺 美穂子(兵庫県神戸市)

娘夫婦は共稼ぎです。病気になると私が孫を預かります。ノロが癒え帰った後、児の手紙を見つけました。


「カッコいいパパ」を産んでとねだる孫 リカちゃん人形湯船に浮かべ

渡会 克男(千葉県柏市)

男の私には五歳といえども女心を読めないときがある。